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高森純一郎の創作小説

現代アジアをテーマに小説を書くアマチュア小説家の活動報告、作品紹介、イベント告知など。
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第二回文学フリマ広島 販売作品

年度末が近付いてきました。

私のいる業界は、学校教育に関わる性格上、民間企業以上に「年度の区切り」に大きく影響されるところがあります。従って、年度末は色々な業務やら式典やらに負われることになります。

私の場合、今春で3年間の助教の任期が満了することに加え、その次の職を巡って色々あり、特にバタバタしておりました。が、来年度まで一月半という段階になって、ようやく4月以降の予定が見通せるようになったところです。

さて、来週末2月23日に広島市で開催される即売会・第二回文学フリマ広島に出店します。私・高森のブースはC-29。販売作品は、

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『賢人支配の砂漠』、

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『帰るべき国』、および

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『To Those Who Assemble~集う者たち』の3作品です。

当日は、広島空港を20時半に出る遅めのフライトで羽田に戻る予定ですので、売り切れにならない限り、閉場時刻まで会場にいる予定です。

多くの方のお越しを、お待ちしております。
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「博士」と「プロ」の違い―大学院進学を考える学部生たちへ

1月も後半に入り、大学図書館の自習室は学年末試験の対策に勤しむ学生たちで満席となる日々が続いています。

学年末試験。教員の側からすれば、数十人、必修科目を担当している場合ともなれば百人以上の学生をS判定からD判定までのいずれかに振り分けなければならない訳です。この採点作業、勿論細かいことは言えないのですが、思いの外判断に迷う場面もあり、「大学教員の公募は、少なくとも2、3年の教歴を積まないと採用してもらえない」という話に説得力を感じたりもします(実際私も、兼任先の非常勤講師公募で採用されたのは、教歴3年目のことでした)。

さて、学年末を迎え、次年度に向けた準備が進むこの時期になると、学生から様々な質問や要望が寄せられるようになります。その内容は「この科目の内容をより深く学ぶには、どんな文献を読むのがいいですか?」といったものから、「留学プログラムに参加したいので推薦状を書いてもらえませんか?」といったものまで、実に多岐に渡ります。特に、留学のための推薦状作成のリクエストは、普段から私が、自分自身の経験も踏まえた上で「外に出ろ」と(かなりしつこく)言っていることもあって、結構な数をお受けしています。

そうした質問や要望の中で、推薦状の作成に次ぐくらいよく見受けられるのが、「○○に興味があり、大学院へ行きたいのですが、その場合の費用やキャリアパスはどうなっているのですか?」というもの。多くの文系学生にとって、自分に一番身近な大学院出身者と言えば受講科目の担当教員ということになるでしょうから、この種の相談をお引き受けすることは必然ということになるでしょう。

以下、この種の悩みをお持ちである全国の学部生の方々にとって、参考になれば幸いです。

大学院へ行く場合の費用とキャリアパス。これを尋ねる学生の多くは、やはりというか、修士2年で大学を離れるのではなく、博士号取得、さらにはその後の研究職への就職まで視野に入れています。

このうち費用については、奨学金(ローンではなく、給付形の奨学金)を継続的にとれるかどうかが死活的に重要になってきます。これについて、学部生のうちから絶対にやっておくべきは、「良い成績をとっておくこと」。特に、海外の大学院へ行く場合、GPAが4.0中3.0(つまり、オールA)に達していることはほぼ必須なので、相談を持ちかけてきた学生にも、この点は強調しています。私が高麗大学へ留学した際に受け取った奨学金も、GPA3.0を受給の最低条件にしていました。

キャリアパスの方については、今の私自身が任期付きのポストを渡り歩いている身なので、立派な返事は殆どできないのが心苦しいところです。ただ、それでも、博士号取得を視野に入れる学生には「自分の興味ある分野を研究することで、社会の何の役に立つのか、必ず説明できるようにしておけ」と言い聞かせるようにしています。

例えば私の場合、学部生の頃から一貫して、自分自身の韓国政治研究は「韓国政府がとってきた開発政策の成果を考察し、後発国がよりスムーズに先進国へ移行するための教訓を導出する」ための、また「欧米とは異なる環境下で民主化した韓国の経験から、現代において代議制民主主義が担える社会的役割を解明する」ための手段であるという位置付けを与え、それを研究計画書などにも明記してきました。

博士号そのものは、時間をかけ、労力を積み重ね、相応の水準の博士論文さえ書けば取得できます。しかし、この博士号取得までの取り組みは、(勿論、多額の奨学金を受け取ったり、場合によっては助手となって給与を受け取ったりもしますが、建前としては)学生としてのもの。言い換えれば、学費を払う側としてのものになります。しかし、博士号を取り、それを踏まえたキャリアを歩もう足を踏み出した途端、それまで「お金を払う側」にいた当人は、一転して研究職の求職者として、「お金を受け取る側」に立とうとするのです。

現在の日本やアメリカ、あるいは韓国では、研究職の椅子は少なく、その競争は熾烈を極めます。無論、日本の場合は博士号保持者を活用する体制のあまりの貧弱さも問題になっている訳ですが、他方で雇う側にしてみれば、高賃金となる博士を、おいそれと雇う訳にはいかないところもあるでしょう。大学教員の給与は、非常勤講師でさえ90分授業1コマあたり6000円以上します。

その競争に勝ち抜こうとすれば、「○○に興味があり、それを追究してきた」で終わるのではなく、自分自身を「興味をもって○○を研究し、その成果を××のように役立てる」=「自分には、それだけの報酬を払う価値がある」と売り込むようにしなければ、研究機関の側も「この人を雇おう」と思ってはくれないでしょう。ここに、「博士になること」と「プロフェッショナルとして振る舞うこと」の決定的な境目がある訳ですが、しかし、今の日本では、この境界線が十分に認識・理解されているとは言えません。

誤解のないよう断っておきますが、私は、「カネになる研究にしか価値を認めない」という安直な発想を是認している訳ではありません。この国の基礎研究に対する支援・理解の乏しさには、私も日々、頭を抱えています。

しかし同時に、私たちは、高度に専門的な研究が、それ自体では経済的利益には結びつきにくい性質を持っている事実にも向き合わなければなりません。大学であれ、シンクタンクであれ、その学術的な営みを持続可能なものとするには、研究者の側から、専門外の人々、さらにはアカデミズムの外にいる人々に対し、自分の研究の「マクロな位置づけ」を分かりやすく可視化し、彼らの理解を取り付ける作業が欠かせません

逆に言えば、自分自身の研究のマクロ的な意義を明確に打ち出せれば、それは研究資金やポストを得る上でのアドバンテージになります。私自身、この点を明確に打ち出した研究計画書や論文ほど、科学研究費補助金(科研費)などの資金コンペ、あるいは学会賞で採択されてきました。

この点まで含めて「プロになる覚悟」が早々に固まっているのなら、博士課程に進み、さらにその先、研究職を目指すことを決断するのも「良し」です。そうではなく、「自分は純粋に○○に興味があり、研究をしたい」というスタンスなのであれば、社会人学生になる、あるいは学部卒業後に一旦フルタイムで就職し、後で院生として大学へ「戻る」というコースも検討されていいでしょう。

もとより、かく言う私自身、任期付きのポストを渡り歩く立場です。ベテラン研究者から見れば、上記の内容にも誤謬が含まれているかもしれません。ただ、大学院へ進むことを考えるのであれば、「博士」と「プロの研究職」の間に存在する距離を認識しておいて損はないと思っています。

以上、ご参考までに…。

1月19日 郡山での販売作品

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

来週末となる1月19日、本年初のイベントとして、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開催されるオールジャンル即売会The ADVENTURES Project 14に出店いたします。

同日は文学フリマ京都が開催されるため、文フリの「裏番組」に出る形となりますが、それだけに、今回の郡山出店が新たな読み手の方との出会いになればと思っています。

販売作品は、先月の松江および札幌と同じく、

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『賢人支配の砂漠』と、

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『帰るべき国』の2種類です。

なお、今回出店するADVENTURES Project 14のイベント自体は、11:00から15:00まで開かれる予定ですが、私のブースは、出店者が同日夜までに新潟へ移動するため、14:30頃には撤収する予定です。ご理解いただけますと幸いです。

2019年御礼と2020年出店予定

間もなく2019年が終わります。

私にとって本年は、本業では単著を出版し、海外の提携校から英文著作を刊行できたほか、国内外の学会でコメンテーターとして登壇することが本格化するなど、一定の進歩が見られた一年となりました。

また、同人活動の方でも、2月3日の福岡を皮切りに、広島、前橋、金沢、東京、盛岡、静岡、札幌、宜野湾、名古屋、大阪、高松、仙台、鹿児島、および松江と、全国15都市、計19回の即売会に出店し、合計で218冊の拙作を販売することができました。拙作をお買い上げ下さった皆様に、改めて御礼申し上げます。

来年は、本業の方がやや忙しくなることもあって、今年ほどの頻度で各地の即売会に赴くことはできなくなりますが、現時点で以下の日程での出店が確定しています。

1/19=郡山
2/23=広島
3/29=仙台
5/6=東京
5/31=静岡
6/21=盛岡
7/19=札幌

本業との兼ね合いから、1月19日の出店イベントが文学フリマ京都ではなく、同一日程である郡山でのオールジャンルイベントになっているなど、全体として東日本に寄ったスケジュールとなっています。特に、関西地区の文フリは、出店者募集や開催の日程が本業の事情と折り合いが悪く、直近3回の出店応募を全て見送っている状態です。ただ、国内第2位の都市圏である京阪神は重要な出店先であり、今年のようにオールジャンルイベントに出店しつつ、来年は、3年ぶりの文フリ大阪出店も果たしたいところです。

加えて、文芸同人市場が深く、広く開拓されている(それ故に東京以外では販売ペースが断トツに好調な)九州では、過去4年間、毎年複数回の出店を行っており、来年もこれを踏襲したいと考えています。

なお、現在、114,000字余りを書いた段階にある、南アフリカを舞台とした新刊は初夏の刊行を予定しています。

今年、御縁のあった全ての方々に御礼申し上げます。来年も、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

おでかけライブin札幌142 販売作品

chang mai

去る12月12,13両日、タイのチェンマイで開かれた国際学会に出席してきました。

今回の学会は国立タマサート大学が主催したもの。私の現所属先がタマサートと交流協定を結んでいることから、今回は所属先を半ば代表する形で、プレセンター兼コメンテーターとして参加しました。

このうち、私がコメンテーターを務めたセッションは、韓国政府が東南アジアの農村部で行っている開発援助について分析したもの。長らく韓国農政を専門にしてきた者として、その知見を東南アジアでの農村開発研究に役立てる機会が得られたことは、大変幸いでした。

さて、今週末となる12月22日、札幌コンベンションセンターで開かれる即売会・おでかけライブin札幌142に出店いたします。札幌での即売会については、毎年7月開催の文学フリマ札幌に4年連続で出店していますが、冬季開催のイベントに出るのは今回が初めてとなります。

販売作品は、先々週の花鳥風月、および7月の文フリ札幌と同じく、

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『賢人支配の砂漠』と

matsue2.jpg
『帰るべき国』の2本立てです。

2019年の即売会出店は、これが最後となります。盛会となること、祈っております。