本日、福岡の天神で開催された即売会·第三回文学フリマ福岡に出店いたしました。

今年に入り、福岡での即売会出店は5月のCOMIC CITY、及び6月のポエイチに続き、今回が3回目。「過去2回の出店で、福岡在住のリピーターさんほぼ全員に新作が行き渡っている」という判断もあり、今回の持ち込みはビギナー向けの『賢人支配の砂漠』が8部、今年の新刊である『国家を背負って』が6部、昨年刊行した『大陸と海洋の交差路』が4部、計18部と控えめに設定していたのですが、事務局の方々のご尽力のお陰で盛会となり、開場3時間ほどで全作品が売り切れとなりました。当ブースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました。

今回のイベントで特に有り難く感じたのは、「知人が高森さんの小説を絶賛していたので…」或いは「友人がこのサークルの小説を薦めるので…」と、過去に拙作をお読み下さった方の御推薦で当ブースにいらした方が少なくなかったこと。作品を楽しんで下さっただけでなく、その思いを新たな読者さんに繋げて下さった方々には、特に厚く御礼申し上げます。

私の小説は、過去15年来、様々な方より、決して広く人気を博することはない一方で、「狭いが、深い読者層を形成する」との御指摘を受けて来ました。その御指摘の是非は別の機会に論じるにしても、「日本が属するアジアを始め、世界に向かって目を開く、もしくは開こうとする」方は、少数でありつつも確実にいらっしゃると思います。今後とも、そうした方々の評価に耐えられるだけの小説を書いていきたいと思いますので、何卒ご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。
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2017.10.08 / Top↑
今週末、10月8日に福岡·天神で開かれる即売会、第三回文学フリマ福岡に出店します。

私·高森のブース番号は「う-26」、販売作品は以下の3種類です。


『国家を背負って』(2017年作)…参考価格:500円 <2017年新作>

1979年、中越戦争が勃発。中国人民解放軍の侵攻を受けたベトナム共産党および政府は、同国人民軍を動員しこれに対処する一方、国会議員らも動員した対中非難のプロパガンダを展開していく。
そんな折、国会副議長の地位にあった古参党員グエン・フー・アンは、密かに党中央・書記長から呼び出され、「中国側が、第三国たるフランス・パリで我が方との交渉を求めている。有利な条件で停戦に持ち込むためにも、同志にはこの交渉に応じ、中国側との話し合いを進めてほしい」と打診される。
これを聞き、一瞬、「外務省や軍の人間でない自分が、何故そのような任務を?」と疑問に思ったアンだったが、やがて書記長から、中国側の交渉担当者の名前を聞き、納得する。その人物は、若き日、パリに住んでいたアンが、ともに働き、ともに学んだ旧友だった…。


『賢人支配の砂漠』(2014年作)…参考価格:300円 <初めての方向け>

東京の大学で教鞭をとっていた在日韓国人三世の経済学者・鄭太植は、『在日』をめぐる左右両翼の論争に嫌気がさす中、中東・ドバイの大学から赴任のオファーを受ける。
日本国内に留まることへの疲労感もあってそのオファーに応じた太植だったが、遊牧民の伝統を残すアラビア半島の部族社会は、やがて彼に「支配」をめぐる新たな考えを抱かせるようになる。


『大陸と海洋の交差路』(2016年作)…参考価格:500円 <沖縄に関心のある方向け>

那覇を訪れた香港の文化人類学者・唐瑞延は、これまで自身の沖縄での研究活動を支えてきてくれた台湾出身の恩人・安麗生の職場を訪ねる。台湾政府の意向を受け、長年台湾と沖縄の交流事業に携わってきた麗生は、定年を迎えたこともあり、所属する政府系機関を退職することになっていた。
長年に渡る学恩に礼を言い、また麗生の日台交流への尽力をねぎらう瑞延。そんな彼に麗生は、「これは回顧録にも書かなかったことなのだけれど…」と、ある秘密を打ち明けた。曰く、台湾人として沖縄との民間交流を深めてきたはずの彼女は、実は沖縄本島で、沖縄県民として生まれたのだという。なぜ、沖縄県民として生まれた人物が、台湾人になったのか。その疑問を抱いた瑞延に、麗生は「台湾疎開のことは、御存知かしら?」と問いかける…。


なお今回のイベントは、8日中に東京へ戻らなければならないこちらの都合上、少々早めに撤収させていただくことになります。予め、ご了承願います。
2017.10.02 / Top↑
本日、大阪府堺市で開催された同人誌即売会·第五回文学フリマ大阪に出店いたしました。

私·高森のブースは、午後4時過ぎに持ち込み分21冊(『国家を背負って』8冊、『賢人支配の砂漠』8冊、『疎遠なる同胞』5冊)が売り切れました。当ブースへお立ち寄りくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

今年度に入り、私の同人活動は、本業での忙しさから即売会の準備があまり充分に行えない場面が目立ち、5月の文学フリマ東京から7月の文学フリマ札幌まで、リピーターの方に支えられて新刊『国家を背負って』が突出して売れる一方、初見の方が対象となる既刊の売れ行きがやや伸び悩む状況にありました。

無論、北は札幌から南は福岡まで、リピーターの方が年々増えていることは大変嬉しく、またありがたいのですが、リピーターの方も、最初は初見の顧客として拙作を買ってくださった訳で、この数ヵ月、「一見さんが拙作を買う敷居を、少しでも下げる」ことは、自分にとって重要な課題となっています。

そこで今回は、新刊をブース中央に配置する一方、自分の既刊の中では字数14万と比較的短く、かつウェブ上で高評価のレビューが複数上がっている『賢人支配の砂漠』を明確に一見さん向けの販売作品と位置付け、その「試し買い」を促す形をとらせていただきました。

そのお陰でしょうか、今回も一番最初、午後2時過ぎに売り切れたのは『国家を背負って』でしたが、続いて午後3時半頃、2番手に売り切れたのは、既刊2種類のうち持ち込み部数の多かった『賢人支配の砂漠』の方でした。

研究者が論文のレビュワーによって育てられるのと同様、小説の書き手も、読者によって育てられる部分が多分にあります。まだまだ育てられる余地の大きい私ですが、今後とも読者の方と共にあり、より面白い作品を出していければと思っております。本日の当ブースへのお立ち寄りに、重ねて御礼申し上げます。

次回の出店は10月8日の文学フリマ福岡。こちらでも、多くの方のお越しをお待ちしております。
2017.09.18 / Top↑
現在、ブラジルのサンパウロにいます。

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大変活気に満ちた街で、市内中心部のヘプブリカ広場で毎週日曜に開かれるフリーマーケットには、このように多くの屋台が出ます。売られているものも、食事から衣類、雑貨まで様々。

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日系人の多い土地柄ゆえ、軽食を供する屋台では、'yakisoba'や'tempura'を出すところも多々ありました。写真は日系の屋台で買った'yakisoba'。日本でいう「あんかけ焼きそば」で、大きめの鶏肉やブロッコリーが入っており、美味でした。

さて、来る9月18日、大阪府堺市の堺市産業振興センターで開催される即売会・第五回文学フリマ大阪に出店します。

私・高森のブース番号はE-04、販売作品は以下の3つです。


『国家を背負って』(2017年作/表紙の色=黄色)…参考価格:500円

1979年、中越戦争が勃発。中国人民解放軍の侵攻を受けたベトナム共産党および政府は、同国人民軍を動員しこれに対処する一方、国会議員らも動員した対中非難のプロパガンダを展開していく。

そんな折、国会副議長の地位にあった古参党員グエン・フー・アンは、密かに党中央・書記長から呼び出され、「中国側が、第三国たるフランス・パリで我が方との交渉を求めている。有利な条件で停戦に持ち込むためにも、同志にはこの交渉に応じ、中国側との話し合いを進めてほしい」と打診される。

これを聞き、一瞬、「外務省や軍の人間でない自分が、何故そのような任務を?」と疑問に思ったアンだったが、やがて書記長から、中国側の交渉担当者の名前を聞き、納得する。その人物は、若き日、パリに住んでいたアンが、ともに働き、ともに学んだ旧友だった…。

『疎遠なる同胞』(2011年作/表紙の色=白)…参考価格:500円

インドシナに派兵された韓国軍によって両親を殺されたベトナム人少女。身の危険を感じた彼女は、当時の南ベトナム首都・サイゴンへと逃れるも、避難先で食いつないでいくため、韓国人従軍記者に雇われ、この記者の下で生活することとなる。

やがて、共産軍が南へ侵攻、サイゴン陥落が目前に迫った段階で彼女は…。

『賢人支配の砂漠』(2014年作/表紙の色=緑)…参考価格:300円

東京の大学で教鞭をとっていた在日韓国人三世の経済学者・鄭太植は、『在日』をめぐる左右両翼の論争に嫌気がさす中、中東・ドバイの大学から赴任のオファーを受ける。

日本国内に留まることへの疲労感もあってそのオファーに応じた太植だったが、遊牧民の伝統を残すアラビア半島の部族社会は、やがて彼に「支配」をめぐる新たな考えを抱かせるようになる。


なお、今回の出店では販売作品の価格が「参考価格」となっていますが、これは英米圏でいう‘suggested price’と同じで、「交渉次第で販売価格は変わり得る」ことを意味します。

また、これまで私の小説は全て表紙が白地だったのですが、今夏増刷を発注した分では、作品ごとに表紙の色を変えるようにしました。過去に拙作をお買い上げくださった方々には、「同じ作品なのに表紙の色が違う」ということでご不便をおかけするかもしれませんが、視覚的に作品を識別しやすくするための試みですので、ご了承いただけますと幸いです。
2017.09.11 / Top↑
一昨日、所属先の事務より、今年4月に作成した私の今年度の研究計画が、国の競争的研究資金である科学研究費補助金、いわゆる科研費の1カテゴリーである「研究活動スタート支援」に採択されたとの通知を頂きました。

国家予算より研究費を出していただけることを恐縮に思うと同時に、引き続き、競争的資金を投じるに値するだけの研究活動を行っていきたいと思います。

さて、本日までの10日間、韓国の延世大学・原州キャンパスにおいて、所属先大学から短期派遣されている学生の現地指導に当たっておりました。

いわゆる「短期留学」の引率であり、今夏は先月のボストン・ノースイースタン大学への派遣事業を含め、同種の業務を2回担当させていただいたことになります。

東アジア政治を専門とし、高麗大学への留学経験も持つ私にとって、韓国での引率業務は同国から受けてきた学恩の一部を返す絶好の機会。そうした思いもあり、今回は、日韓の通訳やホスト側との連絡・調整などといった通常の引率業務をこなす傍ら、私自身のささやかな企画として、韓国の政府系財団で研究職を務める日本人(=私の高麗大留学時の友人)と学生との会食をセットさせていただいたりもしました。

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また今回は、延世大学の学生・教職員を対象とした特別講義を行う機会もいただきました。講義のテーマは「利益団体政治をめぐる日韓比較」。韓国政治の研究では、理念を媒介として結成される市民団体の動向は非常によく取り上げられるのですが、経済的利益を媒介として結成される利益団体の動向は空白地帯となっています。そこで今回の特別講義では、自分自身の研究テーマ(農民団体の政治活動)に引き付ける形で、その空白地帯に光を当てさせていただきました。講義後に数多くの質問や意見を頂けたことを幸いに思うと同時に、この機会を設定してくださった方々には心から感謝したいと思います。

学生たちはもう10日間ほど現地にとどまり、後任の引率教員の指導を受けつつ、授業の聴講やワークショップを行うのですが、現地到着後、数日もしないうちに先方大学の学生たちと親しくなった彼らのことです。その柔軟性を発揮し、日本国外を動き回る上で必要なノウハウを積極的に吸収し、成長してくれるものと信じています。

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なお、私は現在、成田帰着後も自宅へは戻らず、空港ターミナル内にいます。この後、21時過ぎに当地を出発するエチオピア航空に搭乗、香港、アディスアベバ、および西アフリカ・トーゴのロメを経由し、ブラジル・サンパウロへ向かいます。初めてとなる南米訪問、いろいろと楽しみです。
2017.09.08 / Top↑