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21~23日の3日間、韓国の国会図書館で研究資料を収集するために、ソウルへ行ってきました。

2年間の留学生活を別として、8ヶ月ぶり、12回目の訪韓となった今回は、タイトな日程ということもあり、知人たちのもとを訪ねていくこともせず、専ら研究目的での渡航と相成りました。

こちらの写真が、目的地となった韓国の国会議事堂です↓

national assembly


ソウル市内を東西に流れる漢江という川には、ヨイドという大きな中洲があり、その一角に国会議事堂が位置しています。仁川・金浦の両国際空港からソウル市内へ来るまで向かう際にはヨイド周辺を通ることが多いので、韓国へ行ったことのある方の中には、この議事堂に見覚えのある方も多いかもしれません。

ちなみに、議事堂内部は一般に公開されており、私も11年前、高校3年生の時に見学させてもらいました。一人旅の途中、アポイントもとらずにふらっと立ち寄った外国人青年(しかも当時の私は、まだ韓国語を習う前でした)に、国会事務職員の方々は、「あいにく日本語の分かるスタッフはいませんが、英語のできる者であれば…」と、とても親切かつ熱心に対応してくださったと記憶しています。

さて、戦後の日本と同様、アメリカの統治システムを数多く導入した韓国では、事実上の国立図書館もヨーロッパ諸国のように行政府の管轄下に設置するのではなく、立法府の調査補助機関として設置しました。

館内には、過去2年ほどの間に韓国国内で発刊された研究書・取材記録を網羅した「最新資料室」や、韓国国内の大学で学位認定を受けた博士・修士論文を保管する「博士・修士学位論文室」などがあり、外国人も受付にパスポートないし外国人登録証を預ければ自由に閲覧・複写ができます。

特に、複製本が白昼堂々大学院の教科書に使われるお国柄(私の現地の知人いわく「著作権を守り出したら、この国の印刷業者の9割はつぶれる」)だけに、複写に関してはかなり自由というか適当で、明治大学図書館のように複写記録を所定の箱に投函する必要もなく、アジア経済研究所図書館のように複写申請を事前提出する必要もありません。勿論、メリーランド州にあるアメリカ国立公文書館のように、退出時にハードコピーを1枚1枚チェックされる、なんてこともありません。

こうした妙に緩い雰囲気も気に入り、私は学部の卒業論文を書く時も、修士論文を書く時も、この国会図書館へ足を運んできました。今回の訪問でも、その雰囲気は変わっておらず、午前中に入館後、現在の研究テーマに関連する文献を見つけ、複写するという作業を繰り返していたら、いつの間にか日没間近になっていました。

勿論、あの国が複写と著作権保護に対してもっと誠実さを持たなければならないのは明らかなのですが、他方で、その場にある本を手に取り、パラパラとページをめくる時の、そして、気になったページをコピーする際に漂う「妙な緩さ」は、やはり私には居心地の良いものに感じられました。

<おまけ>

itx.jpg


22日の夜、少し時間に余裕ができたので、ソウルから江原道の春川という都市へ向かう準高速列車ITX(Intercity Train eXpress) に乗ってみました。かねてより線路の高規格化が進められていたソウル・春川間のアクセス改善の一環として、昨年2月末に営業運転を開始した最高速度180km/hの列車なのですが、速達性・快適性ともに非常に高い水準に達していました。旅行でソウルを訪問した折、ちょっと足を伸ばして他の町にも行ってみたいという方などに、是非お勧めです。
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2013.01.24 / Top↑
私は鉄道ファンで、毎年正月になると、JR各社が年末年始限定で発売する企画乗車券の類いを使って旅行に出る、ということをかれこれ15年以上やっています。

毎年この時期になると、知人たちから「今年はどこへ行ってきた?」と聞かれるほど。

17回目となった今年の正月旅行は、JR東海の「新春こだま&ワイドビューフリーきっぷ」を使い、首都圏からの日帰りで三重県桑名市へ行ってきました。

今回の旅行の目的は、2つ。1つは、毎正月にやっている、いわば「年中行事」の一環として、養老鉄道・東海交通事業など東海地方を走るローカル線に乗ること。

こちらが、そのローカル線の1つ、三岐鉄道北勢線の電車です↓

2013010115290000.jpg


桑名市中心部から郊外へと伸びる北勢線は、レールとレールの幅が狭く、従って車両も全体的に小振りであることが特徴。写真の車両の場合、ホームからヘッドライトの位置までの高さが、私の身長(183cm)とほぼ変わりません。一見すると遊園地の遊具のような車両ですが(実際、レールの幅に関してはディズニーランドを走っている蒸気機関車と同じです)、地域の人々の生活路線として、その役割を果たしています。

桑名を訪れたもう1つの目的が、こちらの場所を見に行くというもの↓

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旧東海道において、現在の愛知県にある熱田と同じく三重県の桑名を結んでいた渡し舟、通称「七里の渡し」の発着場跡地です。

幕府により、牛車(ぎゅうしゃ)など一部の例外を除いて車輪を用いた乗り物が禁じられていた江戸時代、江戸から東海道に沿って上方へと向かおうとする人々は、基本的に馬・駕籠に乗るか、さもなければ歩いて移動していたわけですが、この熱田・桑名間は船で移動することになっていました(ただし、今の関西本線や近鉄名古屋線に近いルートを陸路で行くことも可能だったとか)。

今はもう船は発着しておらず、また周囲が築堤で覆われているために船が出入りすること自体ができなくなってしまっていますが、船着場を象徴する存在であり、伊勢神宮の式年遷宮に合わせて建て替えられるという鳥居とその周辺は、史跡として整備されています。

七里の渡しは、「江戸に住む2人の町人が伊勢神宮参拝を経て上方を目指す」という筋書きでお馴染みの古典『東海道中膝栗毛』にも登場します。どういう形で登場するのかは…大人の事情により、ここでは伏せておきます。まだ『膝栗毛』を読んだことがない方は、現代語訳もいくつか出ているので、ぜひ読んでみてください。この小説は、「古典文学の作品」というよりも「日本における大衆小説の萌芽期を支えた娯楽作品」として楽しめるかと思います。
2013.01.06 / Top↑