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21日から25日まで、次回作の取材+観光で、タイ・マレーシアの両国を訪問してきました。

今回利用したエアラインは、マレーシアのLCC・エアアジア。部分的にLCCのメソッドを導入しているスカイマークを除くと、私が本格的なLCCを利用するのは、昨年5月の訪韓時に利用したイースター航空以来2回目。

乗った感想としては、「我が社は付帯サービスなしが基本ですから」ということを航空会社側がはっきりと示してくれた分、利用客としてもそれを理解した上で、快適なフライトを楽しむことができた、というところでしょうか。LCCでない、いわゆるレガシー・キャリアの中には、広告で「ホスピタリティ」を強調しておきながら、機内食のコーヒーに子供用のコーヒーミックスを供するところもあるので…(ちなみにこれ、私の体験談です)。

さて、タイといえば、東南アジア最大の観光客受入国。多くの旅行客を引き付け、そしてそのうち少なからぬ人々をリピーターとしてしまう国です。実際、首都バンコクの上座部仏教寺院や、古都アユタヤの遺跡群は、「息を呑むほどに」という表現が相応しいほどの美しさを放ち、一訪問者に時の経過を忘れさせてくれるのに充分すぎるものがありました。

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(アユタヤの遺跡群。同地を貸しチャリで回った際の日焼けで、二日経っても額がヒリヒリ…)

しかし同時に、この聡明なる君主に導かれし偉大なる国家は、20世紀後半、東南アジアのみならず世界中を巻き込んだインドシナ紛争における、重大かつ重要な当事国でもありました。

西に隣接するビルマ(ミャンマー)、東に位置するラオス、カンボジア、そしてベトナムが共産化した1970年代からの約20年、マレー世界を除く大陸部東南アジアで共産化を免れたタイは、インドシナ紛争によって発生した難民の逃避先としての役割を(恐らく不本意ながら)一手に担うこととなったのです。

勿論、タイに永住する難民は少数で、サイゴン陥落、或いはクメール・ルージュによるプノンペン陥落によってタイへ逃れた人々は、その多くが最終的にアメリカへ渡航するか、出身国の紛争の終結を待って帰還するという道を選びました。しかし、南部・マレーシア国境にムスリムというセンシティブな宗教的少数派を抱え、北部で内戦や共産化の圧力に晒される中、大量の難民を一時的ではあれ受け入れることとなったタイの負担は、決して小さなものではありませんでした。

結果的にタイは、かつて20世紀前半、ラーマ5世の治世下において「地の利」を生かしつつ王国の独立を守り抜いた時と同様、インドシナ紛争による難民問題も上手く「収め」、東南アジア交通の要所としてのステータスを保ちつつ、後年にはアジア有数の工業国として急成長を遂げることとなります。

しかしながら他方で、この「インドシナ・ファクター」が、タイ社会に負の影響を全く与えなかったわけではありません。世界的に見ても同質化が進んでいる同国において、外国からの人口流入は少なからぬ混乱と対立をもたらしたのです。

今秋の完成を目指して書くこととなる長編は、インドシナ難民が逃避先としてのタイで経験した事象を、そして彼らを受け入れたタイ社会の動きを描く作品となる予定です。

完成の暁には、お読みいただけると幸いです。
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2013.02.26 / Top↑
4月14日に大阪府堺市で開催される第十六回文学フリマに、いつもと同様「高森純一郎」のサークル名で出展いたします。

頒布作品は、前回の文学フリマと同様、フィリピン民主化を題材とした『共和国の貴族』など長編数本になる予定です。

今年執筆を予定しているタイを舞台とした長編については、今月下旬に現地取材をし、秋までに書き上げるという都合上、残念ながらお出しすることはできません。

昨年は5月と11月両方の文学フリマに長編の新作をお出しすることができたのですが、今年、高森の「中の人」は、①4月に学会誌の締切りが迫っている、②6月に学会発表を抱えている、という状況なので、長編の執筆は1本に絞っています。

長編の新作はお出しできませんが、先日『最後のトルタ』に登校する予定の韓国語による短編小説を書き上げ、目下当該作品の編訳版(日本語に翻訳の上、構成に手を入れたもの)を進めているところなので、大阪でのイベント当日は、この編訳版を印刷・製本したものを頒布できればと思っています。

再来月、大阪で多くの方々にお会いできることを楽しみにしております。
2013.02.10 / Top↑