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4月14日に開催される第十六回文学フリマのブース配置が、文学フリマ公式サイトで発表されました。

私・高森の配置場所は「D-20」です。

イベント当日夕方には関空を発つため、終りの方が若干慌ただしくなる可能性無きにしも非ずですが、アジア近現代史に興味のある方も、またそうでない方も、是非当ブースへお越しいただければと思います。

さて、来月の第十六回文学フリマと、6月に開催される第2回福岡ポエイチでは、字数四万ほどの短編小説『憧憬の弾丸』の日本語版を無料にて配布いたします。

本作品は元々、筆者が2032年12月以降にヴァーバル・アート・ユニット‘TOLTA’から発行される作品集『最後のトルタ』に投稿する作品として、韓国語で執筆したものです。


『憧憬の弾丸』
韓国大統領府に勤めるホン・ソンシクは、情報公開の対象とされた軍事政権時代の機密文書に、奇妙なペーパーが含まれていることを知る。手書きの口述筆記録と思しきそのペーパーには、1974年8月に発生した大統領暗殺未遂事件に関する文言が並んでいた。

不法入国した在日朝鮮人・文世光の発砲により大統領夫人が死亡、大統領本人が辛くも難を逃れたというこの事件は、一般には文世光ただ一人が北朝鮮当局からの指示を受け、行ったものとされている。しかしソンシクの目にしたペーパーには、事件当時、文世光以外にも大統領射殺を試みた人物がいるらしきことが示唆されていた。

ペーパーの機密指定が解除された際の社会的反響を危惧した政府上層部は、ソンシクに当該ペーパーの背景を探るよう命じる…。


本作品の日本語版は、原語版の内容を基本的に踏襲しつつ、韓国の政治・社会事情に詳しくない人が読んでも楽しめるよう相応の改変を施してあります。また、巻末には訳者による、1970年代の韓国に関する簡単な解説も付してあります。

尚、第十六回文学フリマおよび第2回福岡ポエイチでは、従来通り長編作品の有償頒布も行います。頒布作品は、昨年11月の第十五回文学フリマと同じく以下の3作品です。

フィリピン民主化と同国の貧困を描いた『共和国の貴族』

ベトナム戦争最末期のサイゴンを舞台に国家アイデンティティの揺らぎを描いた『疎遠なる同胞』

富むことへの憧れを許さなかった20世紀東アジア諸国のイデオロギーを描いた『帰るべき国』

興味がおありの方は(またそうでない方も)、当ブースお立ち寄りの際、是非お手にとってご覧下さい。


<余談>

5月末に刊行される北東アジア学会の機関誌『北東アジア地域研究』に、高森純一郎の「中の人」の論文が掲載されます。論文内容は、1970年代韓国の農村金融を社会ネットワークの観点から分析したものです。刊行後にCiNiiで無料公開されるとのことなので、もし上記無料配布作品に関心のある方がいらしたら、こちらも是非…。
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2013.03.27 / Top↑
18・19日の両日、宮城県内を旅行してきました。

今回南東北を訪問した目的の一つが、去る3月16日のダイヤ改正でデビューした新幹線の新型車両・E6系に乗るというもの。

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こちらが、復路で乗車したE6系「スーパーこまち」。美しい赤のカラー・デザインと快適な車内空間が合わさった、素敵な車両でした。

今回の旅行で私は、2日間の日程のうち1日目を、宮城県南部・角田市にある宇宙航空開発機構(JAXA)角田宇宙センターの見学に充てました。

この角田宇宙センターは、日本が打ち上げるロケットのうち、エンジン部分の設計・開発から試験までを一貫して行う施設。施設の一部が展示室として一般に公開されており、ロケット・エンジンのしくみや、日本におけるその歴史を学べるようになっています。

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左から順に、H-Ⅰロケットのエンジン、H-Ⅱロケットのエンジン、両ロケットの縮小模型、H-Ⅱロケットの燃料タンク。エンジンと燃料タンクは、いずれも実物とのことです。

小学校中・高学年ぐらいまで、私は星座早見表を使って夜空の観察をするのが大好きな、天文学少年でした。それ故か、今でも「宇宙開発」という言葉には胸をときめかせてしまう部分があり、この日もまた、地球の外に広がる広大な空間に思いを馳せつつ、楽しい時間を過ごさせていただきました。

「広い」という表現では余りにも言葉不足な、「光年」単位で距離が測られ、「億年」単位で時間が測られる空間。およそ生身の人間の感覚では理解しがたい領域ですが、しかし子供の頃の私は、その領域が今ここに立っている自分自身と間違いなくつながっているのだという思いを(客観的事実ではなく主観的・身体的感覚として)強く抱いていました。そして、隔てられつつも着実につながっている当該領域へと踏み出していきたい、などと思っていました。

結局私は、小学6年生の時に、広大な宇宙空間とは異なるもう1つの「自分とつながっている領域」を、NHKの名ドキュメンタリー『映像の世紀』を通じて見せつけられ、そちらの方向へと進んでしまいました。ただ今回、自分が結果的に進むことのなかった領域に久々に触れる経験ができたことは、普段自分のやっている研究を、「自分からつながっている領域のうちの1つ」として客観的に捉えるきっかけになったという点でも、非常に有意義でした。


翌19日、仙石線で松島、そして石巻へ足を伸ばしました。同線は東日本大震災の影響で松島以東の一部区間が現在も不通となっており、向こう3年以内に沿岸部分の線路を内陸に移設し、全線で運転を再開できるよう目指しているところです。

その不通区間の途中にある野蒜(のびる)駅をバスで通過した際、廃墟となった駅舎の前で、地元の子供たちが遊んでいる光景を目にしました。

震災によって営業を休止する前の野蒜駅を利用したことのある者にとって、かつて自分が利用した駅舎の変わり果てた姿を目の当たりにするのは辛いのですが、しかし、地元の子供たちにとっては、野蒜の駅舎が廃墟になっているという状態は、既に「日常」なんですね。

そんなところに私は、震災から2年という時間が経過したことを感じずにはいられませんでした。

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石巻市内の仮設商店街です。ここで昼食をとっていた際、地元のFM放送局にチューニングされた店内のラジオから大塚愛の「さくらんぼ」が流れてきた時は、心に沁みるものがありました。

この曲、サビに「笑顔咲く君とつながっていたい」という一節があるんですね…。

自分が、日常生活の外の領域とつながっていること、そしてそこにいる人々とつながっていること。その大切さを再認識させられた旅となりました。
2013.03.21 / Top↑
本日より、6月8日・9日に福岡市で開催される同人誌即売会「第2回福岡ポエイチ」の出展申し込みが始まりました。

「申し込み多数の場合は抽選」という文学フリマと異なり、ポエイチの出展申し込みは先着順。ということで、午前10時の申し込み受付開始とほぼ同時に、勤務時間中だったにも拘らずエントリーをしました。

エントリーの結果、イベント2日目となる6月9日の出展が確定しましたので、お知らせいたします。

まだまだ先の話ですが、6月に福岡で多くの方にお会いできますことを、楽しみにしております。
2013.03.02 / Top↑