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去る2月にタイで現地取材を行い、5ヶ月ほどかけて書いた小説『近しき異邦人』が完成しました。


『近しき異邦人』
1975年、両親に連れられて陥落直前のサイゴンから国外へと脱出したベトナム人少年は、乗り込んだ船の漂流した先・タイへと住み着くこととなった。その後、「チャンブーン・サニットウォン」なるタイ式の名前を得た彼は、国王を頂点とする統治構造が根を張り、同質化の進められたタイ社会を生き抜く中で、「祖国」や「同胞」という言葉に内在する虚構性に気付いていく。
成人となったチャンブーンは、タイ人からは「ベトナムから来た余所者」として見られ、かといってベトナムに帰国する機会を得るにも至らない中、バンコクに拠点を置く貿易商として働き、経済的な成功を収める。その後、大いなる富を得た彼は、その恵沢の一部を社会に還元すべく、慈善団体に寄付をすることを思いつく。寄付の対象に選んだのは、難民への支援活動をしている国際組織。
だが彼は、その国際組織の担当者を呼び出した際、自らの拠出する寄付金の使途に一つの「条件」を課す。その「条件」とは…。そして、彼がその「条件」を課した理由とは…。


作品の冒頭にも前書きとして記しましたが、1970年代から1980年代にかけて、タイはインドシナ半島の紛争を逃れようとする難民を、一時的ではあれ、大量に受け入れるという経験をしました。
勿論、インドシナ半島での紛争は既に収束し、過去のものとされつつあります。しかし、現在はそれに代わり、仏教過激派の暴力から逃れようとするミャンマー人ムスリム、いわゆるロヒンギャの人々が数多くタイに流入し、ムスリムを多数派とするインドネシアや、イスラムを国教とするマレーシアへの亡命を希望しています。
本作品は、このように現在の問題でもある「タイへ逃れた難民/ボート・ピープル」の視点からタイ社会を、そしてインドシナ紛争を見ていくものです。

B5版横書き124ページ、字数17万ほど。頒布価格は400円です。

10月のタトホン8、および11月の第十七回文学フリマで新刊として頒布しますので、興味のある方は是非お手にとっていただければと思います。


…ちなみに、私・高森は再来週の末から約1週間、次回作の取材としてUAEのドバイ、およびオマーンのマスカットを訪問します。次回作は「アラブの春」と「在日韓国人」という、一見何の関わりもなさそうなイシューが密接に結びついた作品。取材旅行の後、2週連続で学会発表を行う予定のため、本格的な執筆開始は10月頃になるかもしれませんが、こちらの次回作についても追ってアナウンスしていきます。
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2013.08.23 / Top↑
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京都府の日本海側にある、天橋立に行ってきました。過日購入した「青春18きっぷ」を使い、先々週の福島・磐梯熱海と同様、往路は普通列車を利用、復路は新幹線を利用しての旅行となりました。

松島、宮島、天橋立という日本三景のうち、松島も宮島も既に行ったことがあったのですが、この天橋立だけは行ったことがなく、従って今回が初訪問となりました。

訪問当日は天候に恵まれ、かつ、暑さもさほど厳しくなく、快適な中で砂州を散策し、またその景色を眺めることができました。

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↑帰りの新幹線の車内販売で買ったスジャータのメロンアイス。愛知・静岡産のメロンを使っているとのこと。なかなかの美味でした。

新幹線車内販売のアイスといえば、バニラと抹茶が定番ですが、九州新幹線=福岡県産あまおう、東北新幹線=青森りんごなど、路線や季節によって様々なご当地物に巡りあえるので、甘い物好きな方は、是非、お試しあれ。


さて、先々週、今週頒布開始を予定している新作の初稿が書きあがりました。作品のタイトルは『近しき異邦人』。1970年代半ば、陥落寸前のサイゴンからタイへと逃げ出したベトナム難民の視点から、現代のタイとインドシナを描いた長編小説です。

今回の旅行にはこの初稿を携行。往路、東京から大阪まで9時間かかる車中で、時折車窓を眺めつつ、加筆・修正作業を進めておりました…。

分量としては、ハードカバーに換算して300ページ強。今月中には印刷所に製本発注する予定です。

で、この新作『近しき異邦人』の頒布についてですが、さしあたり、都内で開かれる以下の2つの即売会に出展することが決まっており、その中で有償頒布する予定となっております。

1. 10月6日「タトホン8」(会場:東京都立産業貿易センター)
2. 11月4日「第十七回文学フリマ」(会場:東京流通センター)

頒布価格等、詳細については、製本発注が済んだ段階で改めてご案内いたします。


<余談>
先月、北東アジア学会という学術団体から刊行されたジャーナル『北東アジア地域研究』第19号に、私が本業の方で書いた研究論文「1970年代韓国農村部における相互金融の変質」が掲載されました。学術誌に掲載された純然たる政治学論文ですが、近々国立情報学研究所のサイトでオープン・アクセスとなる予定なので、その際には、興味のある方は是非お読みください…。
2013.08.13 / Top↑
あと半年で三十路入りというこの時期に「青春18きっぷ」を買いました。夏季用としては、実に11年ぶりの購入です。

「二十代最後の夏だし…」という思いもあって買ったのですが、ある機会にそのことを話したところ、知人から「続け☆体力と青春」と、冷やかしが8割ぐらい混じっているエールを頂きました…。

青春18きっぷ。

ご存知、「一人一日あたり2300円でJRの普通列車が乗り放題×5枚綴り」という企画乗車券です。

十代の頃、「行きたい場所はある、見たい景色はある、そこへ行く体力もある、ただしお金はない」状態だった私は、このきっぷ(+今では風前の灯である夜行快速のムーンライト・シリーズ)をフル活用して日本全国を旅しました。「平和公園を見学したい」と思い立ち、夜行快速列車を4夜連続で乗り継いで東京・長崎を往復するという、専ら若さを恃んだ旅行をしたこともあったり…。

ただ、私にとってこのきっぷを使って日本中を旅したことは、この国の多様な側面を見聞し、東京にいるだけでは決して得ることの出来ない立体的な「日本像」を構築する上で大きな助けになりました。その、より幅広い日本像を得られるようになったことが、二十代に入り、外国(および外国人)と関わる機会の増加した私にとって、どれほど大きな力になったことか…。

ちなみに、「青春18きっぷ」は、日本へやって来る留学生の間で人気があるようです。長期滞在ゆえJAPAN RAIL PASSを利用できない彼らにとって、安価に留学先の国を旅行できるこのきっぷは好評なのだとか。

留学生受け入れの意義が「外国における日本の専門家を増やす」ことだけでなく「外国の高学歴者(=将来のエリート)に日本への愛着を持ってもらう」ことともなっている時代、「青春18きっぷ」はかつてとは異なる、新たな役割を担っているのかもしれません。

さて、本日、5日分使える「青春18きっぷ」のうち1日分の枠を使い、往路のみ普通列車利用、復路は別途新幹線のきっぷを購入する形で、福島県郡山市の磐梯熱海温泉へ日帰り旅行に行ってきました。

磐梯熱海温泉。

鎌倉時代に静岡の熱海にちなんで名づけられた温泉地です。あいにく、旅行中の天候は雨となりましたが、そのことが却って日射しを抑えてくれ、温泉で長風呂してものぼせずに済む環境を提供してくれました。

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今回日帰り入浴で利用したホテル華の湯。屋内風呂・露天風呂ともにヨリドリミドリな、素敵な温泉宿でした。

…と、久々に普通列車の旅をし、温泉に浸かっていたところでふと、とある深夜番組のことを思い出しました。

各地の温泉宿やホテルに泊まりながら、原付やレンタカー、はたまた深夜バスで国内外を巡ったりする、人気番組。

…水曜どうでしょう、です。

聞くところでは、今春、新しいシリーズに向けたロケが行われたのだとか。どうでしょうファンの一人として、新しいシリーズの放送が楽しみでなりません。

閑話休題

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今回、復路でグリーン車を利用した東北新幹線E5系「なすの」。グランクラスが大いに注目されたE5系ですが、グリーン車も従来形式から着実な進化を遂げていて、車中で一人、感動していました。

今夏購入した「青春18きっぷ」は、まだ4日分残っている状態。再来週、この残りを使う形で京都へ行ってきます…。
2013.08.02 / Top↑