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先日、exciteニュースに掲載されたレビュー「空飛ぶ円盤、ゴミ、成年男子のための『赤毛のアン』入門……第19回文学フリマで見つけた噂のすごい本」で、私の頒布作品『賢人支配の砂漠』が写真入りにて紹介されました。
http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20141212/E1418322517036.html

レビューで取り上げていただき、大変ありがたい限りです。『賢人支配の砂漠』は来年以降の即売会でも頒布を継続する予定ですので、興味をお持ちになった方、機会がありましたらお手に取って頂けますと幸いです。


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さて、去る10月にバニラエアの成田・奄美便をセール運賃にて購入。これを利用し、先日、奄美大島へ行ってきました。

奄美へ行くのは今回が初めてだったのですが…結論から言うと、奄美大島は、アウトドア志向の人は勿論、民俗・文化人類学に興味のある人、或いはグルメな人も楽しめる島でした。

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名瀬市街地の全景。港湾として整備されているこの地区においても、海は綺麗です。市街地を離れれば、美しい自然の中、ゆっくりと時間が経過しているような感覚にも浸れます。

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郷土料理の鶏飯(けいはん)。御飯に鶏ガラのスープをかけ、鶏肉や玉子、葱などの薬味を加えて、お茶漬けのようにして食べます。なかなかの美味でした。

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言わずと知れた黒糖焼酎。宿泊先のIHサーバーでお湯を沸かし、お湯割りにして飲んだのですが、口に含む時、ほのかに黒糖の香りが漂うのがいいですね。

夏にバニラのメールマガジンで成田・奄美便就航の告知を見た時は「意外なところへ飛ばすものだ」とも思ったのですが、実際に行ってみると、この島は観光地として、私が思っていた以上に幅広い客層をカバーできるという印象を受けました。

そして今回の旅では、最終日午後に東海岸の散策を終え、帰りの飛行機に乗るべく空港へ向かう際、たまたま近くを車で通りかかった地元の方から声をかけられ、

「どこまで行くんですか?」
「空港までです」
「それなら連れて行ってあげますよ。乗って下さい」

ということで、有り難くも空港まで送って頂くという場面がありました。

そうして空港まで送って頂く途中、この地元の方とバニラエアの就航について話をしていたのですが、この方のお話では、「バニラが就航したことで東京からのお客さんも増えたが、他方で島の人たちにとっても、東京との往復が安くなり、とても助かっている」とのこと。

ANAの子会社であるバニラが就航するまで、奄美空港の発着便はJALグループによる独占状態。これでは競争原理が作用するはずもなく、羽田・奄美便は往復70,000円近くするのが常態化していたのだそうです。(今、JALのサイトで調べたのですが、この区間、閑散期・早期購入最安値の「スーパー先得」で買っても往復40,000円以上しますね…)

そういう状況ですから、「盆や正月に息子夫婦が島に帰ってきたり、或いは自分が東京での同窓会に出席したりするのが大変な負担になっていた」とのこと。

ピーチの大阪・石垣便もそうですが、LCCの離島便就航は、遠方へ陸上交通で移動できない離島の人々にとって、旅行客の呼び込みとはまた別の、大きなプラスの効果を生んでいるようです。本業で文化人類学者の方々と話をしていると、「離島に目を向けると、今まで見えていなかったものが見えてくる」ということをよく聞くのですが、今回の旅行では、その一端に触れた気がしました。

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年内の本ブログの更新は、これが最後になります。今年1年、本ブログを御覧くださった方々、また即売会で拙作をお手にとって下さった方々に厚く御礼申し上げます。

来年は、年明け直後に日本海側では初開催となる「第一回文学フリマ金沢」の出店応募が始まります。また、4月に予定される文学フリマ金沢の開催に先立ち、3月に同人誌レビューサイトStray Catさんの運営による即売会‘Text-Revolutions’も開催される予定です。私・高森はいずれにも出店するつもりですので、会場へ足をお運びの際は、当ブースへお立ち寄りいただけますと幸いです。

では、良いクリスマスならびにお正月をお過ごしください。
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2014.12.16 / Top↑
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先日、ジェットスターの成田・新千歳便をセール運賃にて購入。これを利用し、一昨日・昨日と、札幌近郊の定山渓温泉に行ってきました。

北海道の温泉はこれまで、釧路湿原の茅沼、函館の湯の川、そして長万部と、いくつか回ってきたのですが、意外な盲点というべきか、札幌からの交通の便も良い定山渓は未訪問のまま。今回が初訪問となりました。

今回の北海道訪問には、この定山渓温泉の他にもう1つ目的があり、それが…

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こちらの711系電車に乗ること。

1967年、函館本線の部分電化と共に登場した国鉄初の北海道向け電車であり、北海道における中長距離電車輸送の黎明期を担った車両です。

前面形状は当時の国鉄の車両としては標準的なものですが、雪が降る中での視認性をより確実なものとするため、ライトが増設されているなど、本州以南の車両とはいくつか相違点があります。

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こちらが、本州以南に国鉄が投入した車両の一例。北陸で運用されている455系という電車で、一昨年の10月、学会出張からの帰り、高岡から富山まで乗った際に撮ったものです。

寒冷地であり、かつ駅間距離の長い北海道に投入されることを考慮した711系電車は、徹底した寒冷対策と、高速域での安定走行を重視した性能が大きな特徴。

私が最初にこの車両に乗ったのは、18年前となる1996年の8月、札幌から小樽へ向かった際のことでした。

以来、北海道を訪問するたび、この赤い電車のお世話になっていたのですが、残念ながら来年3月、本系列は後進となる車両にその役目を譲り、引退するのだそうです。

引退まで、あと約3ヶ月。車内でガタゴト揺られながら、北海道という運用環境に徹底的にカスタマイズされ、本州以南の車両とは「一味違った」魅力を持つにいたったこの系列が、最後まで大きな事故なく走り続けることを願いました。
2014.12.09 / Top↑
イベントから1週間ほどが経ちましたが、11月24日に開催された第十九回文学フリマについて、購入作品の読後感を含めて少々綴っておきたいと思います。

今回の文学フリマ、私・高森は、今年の新刊が4月に刊行済みであったため、『新刊なし』での出店となりましたが、頒布した既刊の種類が多かったこともあってか、リピーターの方、ビギナーの方(?)、ともに多く来て下さり、色々とお話しする機会に恵まれました。

前回のイベントで拙作を買って下さり、その感想を話して下さった方や、「ブログ読んでいます」と言って下さった方、「この間、香港に行かれたんですよね?」と、本ブログでも取り上げた香港の路上占拠活動について話を持ちかけてくださった方など、話の内容も多岐に渡りました。

(話題が少々逸れますが、香港での路上占拠は、司法の判断を受けてモンコックのバリケードが強制撤去されるなど、終焉の時を迎えつつあるようです。個人的には、バリケードを築いた学生たちがどこまで柔軟に思考の転換を図れるのが気になると同時に、彼らをいかに平和裏にキャンパスへ戻していくかという、政府側の手法も気になるところです)

さて、今回のイベントでは他サークルさんの本もいくつか購入させていただいたのですが、そのうち以下の2作品について、感想を記しておきたいと思います。


右左見中道『暴力随想 暴力小説』
右左見堂:http://usami-doh.jimdo.com/

ハードカバー上製本という仕様で、題名にあるように暴力についての小説とエッセイを掲載しています。

随想部分で著者は、子供の頃からテレビや映画、書籍などのメディアを通じて暴力についての情報を摂取してきたことを綴り、軍人や学生運動家など暴力の行使者に憧れるところが多々あるとしながらも、自分自身は特定の政治的イデオロギーに傾倒することのない、いわゆるノンポリのまま生きてきたと述べています。

他方で著者は、そのように今現在の生活環境下ではノンポリである自分が、しかし生まれた時代が数十年違えば、ヘルメットをかぶり、ゲバ棒を持って暴力を振るう存在になっていたかもしれないとも述べています。

この、「生まれた場所や時期が違えば、自分も過激な政治思想に酔いしれていたかもしれない」という推察は、(著者がそれをどの程度まで意図していたかは不明ですが)政治的暴力の重要な位置側面を照射していると言うことができます。

イデオロギーに基づく政治的暴力は、表向きには「特定の政治思想への陶酔」が先にあり、それに続いて「信奉する思想を具現化するための暴力の行使」が追従するという形をとっていますが、実際には「暴力の行使者が持つマッチョ・イメージに対する憧憬」が先にあり、それに続く形で「その憧憬を具現化するのに都合の良い道具としてのイデオロギー」が追従することも多々あります。

ファシズムから宗教テロリズムに至るまで、政治的狂信に陥る人間の多くが、その素顔において「ごく普通の人」であったという話をよく耳にしますが、本書で著者は、強い者への憧憬を抱く多くの人々が、状況次第では暴力を正当化する行動に容易に打って出るという点を指摘しているといえるでしょう。そしてその点は、著者が極めて冷静に「自分も、状況が違えば過激な政治思想に酔いしれていただろう」と推察することによって、明瞭に浮かび上がっているといえます。


森井聖大『ネオぶんがく宣言』
著者ブログ:http://nazehenshubu.blog38.fc2.com/

文学フリマで殺戮が起こり、文フリ界隈の人間ほぼ全員が殺される小説を書いたのだそうです。

で、著者曰く「高森さんも名前を少し変えて登場させています」とのこと。

そういうわけで、「どれ、私は誰にどういう状況で殺されるのか?」と思いつつページをめくってみたのですが…

「イカれたトルコの殺し屋のような赤いネクタイをした高林純太郎は…元アフガン傭兵のジェンキンスの光り輝く頭を背後から銃で撃ち貫いた」(42ページ)

殺される側ではなく、殺す側かい。
2014.12.01 / Top↑