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ジェットスターの成田・ケアンズ便がセールになっていたのを利用し、この週末、2月のメルボルン訪問以来となるオーストラリア旅行に来ています。

前回のメルボルンは、指導教授の知り合いの方が現地に住んでいて、その方のガイドのおかげで大変充実した滞在となりました。そして今回もまた、職場の同僚に以前ケアンズに住んでいた方がいて、その方から事前に有益な情報を頂いていたおかげで充実した旅行となりました。

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クランダ高原では登山列車とワラビーへの餌付けを、

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グレートバリアリーフでは熱帯雨林と珊瑚礁が隣り合わせという贅沢な光景を堪能いたしました。

さて、前回のメルボルン、そして今回のケアンズと、オーストラリアを訪問し、当地の人々と話す中で私は、この国の社会が持つ柔軟さ、さらに言えば「若さ」を感じる場面が多々ありました。

この「若さ」、在米・訪米経験のある方には、アメリカの都市部でしばしば感じる心地良い混沌さといえば通じるかもしれません。

どちらも、アングロ・サクソンがヨーロッパ域外に樹立した国であり、またアメリカは1960年代の公民権運動まで、オーストラリアは1970年代までの移民制限政策、いわゆる白豪主義の放棄まで、ともにそうした白人主導の秩序を維持していた点も共通しています。

そして両国は、そうした白人の主導性を緩和していく中で、ともに新たな国家像を模索し続けています。

無論、民族や宗教、言語が入り乱れている国は世界に無数にあり、米豪両国だけが特殊な訳でもありません。アジアにもこうした国はあり、私が比較的よく関わる国の中では、マレーシアやシンガポールが民族・宗教・言語全ての面で複合社会となっています。

しかし、オーストラリアがマレーシアやシンガポールと異なるのは、「自分たちはこのような複合社会を作り上げるべき」という国家像を、政府が選択し、提示し、そしてその方向へ人々を導くのではないということ。

自分たちの国でどのような社会が構築されるべきか。この国では、それ自体が公共の場における議論の対象になっています。それは、政府が「自分たちの国は複合社会だが、その中でも土着の民族であるマレー人の権利がより尊重されるべき」と呼びかけるマレーシアや、公式には多民族国家を掲げつつも、建国の父リー・クアンユーが華人以外が後継首相となることを決して認めなかったシンガポールと大きく異なる点です。

どちらのアプローチが正しいのかは一概には言えませんが、オーストラリアが北方のASEANの多くの加盟国と異なる社会形成の方法をとっていることは、大いに興味深いところがあります。

近年の好況ですっかり物価高な国となってしまい(自販機の缶コーラ1本が約300円、小さなピザとビールのランチが約2000円。ただし、さすが世界に冠たる農業大国だけあって、農産物は乳製品を含めてヨーロッパよりも遥かに安価です)、この点がネックになるのは否めませんが、欧米と違い、東京からであればジェットスターやエアアジアなどLCCで行ける国でもあるので、アジア圏の海外旅行を一定回数重ねた方は、オーストラリアへ足を伸ばしてみるというのもいいかもしれません。
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2015.11.29 / Top↑
本日、東京流通センターで第二十一回文学フリマ東京が開催され、盛会となりました。

私・高森のブースも開場直後から順調な滑り出しとなり、終了2時間前である15時に持ち込み分完売となりました。

本日最初に当ブースへお立ち寄り下さったのは、1ヶ月前にもお会いした文学フリマ福岡の事務局代表さん。その後も、これまでにお会いしたことのあるサークルさんや、以前にも拙作をご購入下さった方がリピーターとしてお立ち寄り下さるなどし、著者の予想を上回る販売ペースとなりました。

大変ありがたいことではあるのですが、同時に申し訳なく思っているのが、午後に入り、品切れのためにご希望の作品を販売できない場面が少なからずあったこと。

4年前の第十三回文学フリマを皮切りに、即売会に出店すること今回で20回。お陰様で販売部数は伸びてきており、これに合わせて印刷・持ち込み部数も増やしているのですが、供給不足の場面がどうしても出てしまいます。

特に、今年の新作『異邦人の土地』は、舞台がポル・ポト時代のカンボジアであり、分量も50万字以上と、決して間口を広くとった作品ではないにもかかわらず、4月の金沢、5月の東京、6月の福岡ポエイチ、9月の大阪、そして今回と、全てのイベントで真っ先に売り切れており、著者の予想が完全に外れました。

本日ご希望の作品をお求め頂けなかった方々にはお詫びすると同時に、今後のイベントでは同作品の増刷分を多めに用意しておきたいと思います。

さて、今日の文学フリマを以って、私の本年の即売会出店は終了となります。

来年も文学フリマなどの即売会には積極的に出店していきたいと思っておりますので、引き続きご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。
2015.11.23 / Top↑
来たる11月23日に、東京流通センター第二展示場にて、即売会・第二十一回文学フリマ東京が開催されます。

今回の文学フリマは、私にとっては4年前の第十三回文学フリマから数え、通算20回目の出店となる即売会です。特にイベントやおまけの類いを用意している訳ではないのですが、節目となる出店回数を数えるにあたり、これまでの即売会で関わりを持ってきた方々に、改めて御礼申し上げたいと思います。

第二十一回文学フリマ東京での私・高森のブース番号は「ア―21」です。今回は、去る9月の文学フリマ大阪で売り切れてしまった現時点での最新作『異邦人の土地』を刷り増しの上で頒布します。

なお、来年4月の完成を目指して執筆中の、1940年代の沖縄と台湾を舞台とした新作は、現在全体の6割にあたる12万字強まで書けています。去る10月に提出した博士論文と執筆期間が重なっていたことから、作成スケジュールにかなりの余裕を持たせているのですが、来春以降の頒布開始の際には、どうかお手にとっていただけますと幸いです。

以下、今回の即売会で頒布する作品3つの一覧です。

『異邦人の土地』(2015年作)
…頒布価格:500円
1979年、隣国カンボジアに攻め込んだベトナム軍の兵士、グエン・ズン・アンは、首都プノンペンで学校の校舎らしき建物と、その建物の内外に散らばる無数の惨殺死体という光景を目にする。そこは、ポル・ポト政権が設置した政治犯強制収容所であった。その収容所内に入ったグエン・ズン・アンは、多くの死体を前にして立ち尽くす、一人の中国人の男を見つける。 なぜ、解放直後のカンボジアの強制収容所に、中国人の男が立っていたのか…それは、20世紀後半のカンボジアを諸外国の者たち、即ち「異邦人」たちが翻弄し、時に蹂躙してきた結果であった…。
40年前にカンボジアで起こった大量虐殺を2人の外国人の視点から捉え、大国の利害の交差路としてのインドシナ半島を描き出します。

『賢人支配の砂漠』(2014年作)
…頒布価格:300円 
東京の大学で教鞭をとっていた在日韓国人三世の経済学者・鄭太植は、『在日』をめぐる左右両翼の論争に嫌気がさす中、中東・ドバイの大学から赴任のオファーを受ける。日本国内に留まることへの疲労感もあってそのオファーに応じた太植だったが、遊牧民の伝統を残すアラビア半島の部族社会は、やがて彼に「支配」をめぐる新たな考えを抱かせるようになる。
昨今の「アラブの春」にもかかわらず、絶対君主制を維持するアラビア半島諸国。その内面に目を向けることで、支配・統治のあり方の多様性を描き出します。

『半島と海峡の狭間で』(2007年作/2014年改訂)
…頒布価格:300円
1970年代初頭、韓国大使館員として台北に赴任したキム・ギョンナムは、当地で日米両国が大陸・中華人民共和国に接近し、台湾が国際的に孤立するという状況に直面する。国民党一党独裁下の台湾と、軍事政権下の韓国。反共を国是とする両体制を行き来する彼は、しかし同じ資本主義陣営に属するはずの日米が大陸の共産党政権へと接近していく中、自国の、そして赴任先の政治体制に疑問を抱く。やがてその疑問は、彼の外交官としての立場を危ういものにしていき…。
冷戦体制下の1970年代、日米両国と同じ西側陣営に所属していながら、大陸中国との修交という選択肢をとることのできなかった反共分断国家・韓国の視点を通じ、東西両陣営の対立がアジアに残した痕跡を描写した作品です。


多くの方のお越しをお待ちしております。
2015.11.17 / Top↑
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私はこれまで、フランス人が自国の文物を誇り、そしてそうであるが故に異国の文物に対しても尊厳を以って接しようとする光景を、世界各地で数えきれないほど目にしてきました。

誇り高く、しかし同時に他者を尊重するこの国の人々が、目下の難局を乗り越えるであろうことを、私は信じて疑いません。

そして、彼らが困難に打ち克とうとしている今、私もまた、彼らと共にあります。

Vive la France.
2015.11.15 / Top↑