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本日、福岡の天神で開かれた即売会、第二回文学フリマ福岡に出店いたしました。

今回は、申し訳ないことに準備不足のところが否めず、持ち込みは20冊のみ。そのため、14時前後には全作品が売り切れてしまい、撤収とさせていただきました。次回出店する機会があれば、30は用意していきたいと思います。

今回もまた、ポエイチやCOMIC CITYでご縁を持った方や、近現代史にご関心をお持ちの方、あるいは香港でラジオ番組や書籍の制作に携わっておられる方など、多様なバックグラウンドの方々とお話しできる良い機会となりました。

本ブースにいらしてくださった皆様、ありがとうございました。

次回の出店は11月23日の文学フリマ東京。こちらについても、多くの方のお越しをお待ちしております。
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2016.10.30 / Top↑
10月30日日曜日、福岡市で即売会「第二回文学フリマ福岡」が開催されます。

今日、同僚との会話の席で「今年も残り約70日」という話が出たのですが、全くもって早いもので、私の今年の即売会出店も、地方開催分についてはこの文フリ福岡が最後になります。このイベントの後は、11月23日の文学フリマ東京への出店予定があり、それを以って私の2016年分の出店が全て終了する予定です。

なお、2017年については、2月12日に静岡市で開催される静岡文学マルシェへの出店申込みを既に完了させております。来年2月は、初旬に韓国、下旬にアメリカを、それぞれ研究上の用事で訪れることになっているのですが、これらとの調整を図りつつ、東海地方での初出店を行いたいと考えています。

その後については、今のところ5月7日の文フリ東京に出店し、ここで2017年新作の販売を開始したいと思っています。

さて、今度の文フリ福岡、私・高森のブース番号は「い-28」です、。販売作品は、文フリ岩手、同大阪と同じく、以下の3種類です。

『大陸と海洋の交差路』(2016年作)…頒布価格:500円 (新作)
那覇を訪れた香港の文化人類学者・唐瑞延は、これまで自身の沖縄での研究活動を支えてきてくれた台湾出身の恩人・安麗生の職場を訪ねる。台湾政府の意向を受け、長年台湾と沖縄の交流事業に携わってきた麗生は、定年を迎えたこともあり、所属する政府系機関を退職することになっていた。
長年に渡る学恩に礼を言い、また麗生の日台交流への尽力をねぎらう瑞延。そんな彼に麗生は、「これは回顧録にも書かなかったことなのだけれど…」と、ある秘密を打ち明けた。曰く、台湾人として沖縄との民間交流を深めてきたはずの彼女は、実は沖縄本島で、沖縄県民として生まれたのだという。なぜ、沖縄県民として生まれた人物が、台湾人になったのか。その疑問を抱いた瑞延に、麗生は「台湾疎開のことは、御存知かしら?」と問いかける…。
太平洋戦争末期、1万人を超える沖縄県民が、当時日本領であった台湾へと疎開しました。しかし終戦後、彼らの疎開先は中国国民党の支配下に入り、そして彼らの故郷・沖縄はアメリカ軍の支配下に入ります。疎開先も、そして故郷も「日本」ではなくなった日本人疎開民。やがて彼らは米軍支配下の沖縄へ、すなわち中国からアメリカへ「帰る」ことになります。
戦中から戦後にかけての沖縄を、台湾の視点から描いた作品です。

『賢人支配の砂漠』(2014年作)…頒布価格:300円
東京の大学で教鞭をとっていた在日韓国人三世の経済学者・鄭太植は、『在日』をめぐる左右両翼の論争に嫌気がさす中、中東・ドバイの大学から赴任のオファーを受ける。日本国内に留まることへの疲労感もあってそのオファーに応じた太植だったが、遊牧民の伝統を残すアラビア半島の部族社会は、やがて彼に「支配」をめぐる新たな考えを抱かせるようになる。
昨今の「アラブの春」にもかかわらず、絶対君主制を維持するアラビア半島諸国。その内面に目を向けることで、支配・統治のあり方の多様性を描き出します。

『疎遠なる同胞』(2011年作)…頒布価格:500円
インドシナに派兵された韓国軍によって両親を殺されたベトナム人少女。身の危険を感じた彼女は、当時の南ベトナム首都・サイゴンへと逃れるも、避難先で食いつないでいくため、韓国人従軍記者に雇われ、この記者の下で生活することとなる。やがて、共産軍が南へ侵攻、サイゴン陥落が目前に迫った段階で彼女は…。
外国人の兵士に肉親を殺され、他方同じ国の記者と暮らすことで生き延びた少女の視点から、戦争最末期のベトナムを描き出します。国籍やエスニシティ、或いは国民性といったフィルターを介して世界を見ることの危うさを感じて頂ければ幸いです。

多くの方のお越しをお待ちしております。
2016.10.21 / Top↑
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昨日、今日の2日間、沖縄に行っておりました。

沖縄を訪れるのは今回で4回目。過去3回の旅行での周遊先は、那覇、豊見城、糸満と本島南部に集中しており、今年頒布を開始した拙作『大陸と海洋の交差路』も、沖縄側の舞台はこれら地域にほぼ限定されています。

ただ、旧友や職場の同僚が「北部へも行ってみるといい。一見の価値がある」と勧めることもあり、今回は名護、本部、今帰仁と本島北部を回ってきました。

回ってみて実感したのは、水族館の名称にも使われている「美ら海」という表現は、当地の光景そのままなのだということ。

上の写真は、海抜80mの丘にある今帰仁城跡から撮ったものなのですが、ここから丘を下り、

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住宅街を抜けると、

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道の向こうから一際明るい光の差し込む場所があり、そちらへ足を進めると、

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透き通った海が広がっていました。

美しく、かつ静かな海沿いの場所で時間を過ごすのは、昨年11月のケアンズ以来です。

この数年、旅行や即売会出店、あるいは学会発表で国内外各地に行っているものの、考えてみればそれら渡航先の大半は人口100万人以上の大都市圏。彼方此方に出かけているようでいて、自分の行動範囲は思いのほか限られている。そんなことを感じた2日間となりました。
2016.10.20 / Top↑
神戸芸術センターで開かれているAsian Conference of Politics, Economics and Law 2016という会議に出席するため、神戸に来ています。

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去る日曜日の慶応・三田での発表から1週間も経っておらず、当地での学会は国際会議とはいえ、かなり小規模。なので今回は、新たな成果を発表することよりも、新たな発表手法に習熟することを主な目的として、ポスター発表を行いました。

通常「発表」というと口頭発表、つまり、壇上に立ち、聴衆を前にパワーポイントを使って話をするという形態を想起するのが一般的ですが、学問の世界ではポスター発表といい、上の写真の様に議論の要点をまとめたポスターやスライドをクリップボードに張り、会議出席者に自分の研究の成果を手短に説明する、という形態も見られます。

分野としては理系の若手研究者の間でメジャーな発表形態であり、政治学の世界では比較的マイナー、特に日本国内での開催例は極めて少ないポスター発表。私も国内外で20回近く学会発表を行ってきましたが、これまではその全てが口頭発表でした。ただ、多様な発表形態に慣れておいた方が良いことは言うまでもないので、今回、あえてポスター・セッションに臨んだ次第です。

やってみた感想は、「同人誌即売会での販売メソッドが、ほぼそのまま流用できた」という一点につきます。

通常、私は文学フリマなどの即売会に出店した際は、ブースに立ち寄った人に、

①販売作品の概要を書いたフライヤーを渡し、
②作品の特徴や魅力を手短に説明し、
③質問や意見を受けた際はそれになるだけ誠実に対応する

というパターンをとります。今回のポスター発表ではこれに倣い、立ち寄った人に

①ポスターの縮刷版を手渡し、
②研究概要を1分前後で説明し、
③ビジターとのコール・アンド・レスポンスに最大限誠実に対応する

という、同じパターンをとってみたのですが、どうやらそれが上手くいったようで、1時間あまりの間、絶えることなく多くの方々と議論し、様々な意見を頂くことができました。

趣味で培ったプレゼンテート方法が仕事に活かせた格好です。

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さて、神戸といえば、横浜と並び、明治日本の開国を象徴する都市です。写真の建物は、新神戸駅から元町駅へ下る途中にある韓国総領事館。新神戸は、こうしたレトロな建物が並ぶ北野とも隣接した地区です。明日、この北野周辺を散策した後、神戸空港発のフライトで東京へ戻ります。

<おまけ>

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羽田から神戸まで登場したスカイマークのボーイング737。阪神タイガースのロゴをあしらった特別デザイン機「タイガースジェット」での運航で、機内では搭乗時に六甲おろしが流れ、キャビンクルーが阪神のユニフォームで出迎えてくれました。タイガースジェットの運航は今月末までとのことです。ご搭乗希望の方はお早めに。
2016.10.14 / Top↑
既に国内外のメディアで報じられている通り、タイのラーマ9世プミポン・アドゥンヤデート国王が昨日夜、逝去されました。

私は3年ほど前、『近しき異邦人』という、ベトナム戦争時のインドシナ難民を題材とした小説を書き、即売会で販売したことがあります。

1970年代前半、共産化が不可避となったベトナムからはおびただしい人数の難民が流出し、そしてその多くが隣国・タイへと逃れました。このベトナム難民を皮切りとしてタイは、1970年代後半にかけ、カンボジア、ラオスといった隣国の共産化、内戦、そしてそこからの難民の流入という、国難と形容しても過言ではない不安定要因に苛まれることとなります。

しかしタイは、そうした困難を巧みに乗り越え、やがて1980年代以降、工業化によってシンガポールやマレーシアとともに「発展する東南アジア」を象徴する存在となっていきます。

タイが東南アジアで唯一植民地に陥ることなく、そして20世紀後半の相次ぐ困難をも乗り越えた上で、今日のように東南アジアのビジネス・ハブとなり、世界有数の観光大国へと発展していった過程。拙作『近しき異邦人』執筆の準備段階でその過程をサーベイした私は、その同国の安定と発展の重要な要素として、ラーマ5世ならびにラーマ9世という、歴代国王の優れた政治感覚が大きな役割を果たしたとする資料や証言を数えきれないほど目にしました。

私は、そうした国王の叡智と政治感覚に対する敬意として、2013年秋に拙作を刊行した際、その巻頭言に「聡明なる君主に導かれし偉大なる国家」という表現を用いました。

無論、その聡明さは決して万能ではなく、いくばくかの課題が次世代のタイ王室および国民へと引き継がれたことは事実です。

しかし、変化の時代にあって君主の過ちが国家の瓦解を招いた例が無数にある中、タイがそうした例に名を連ねることがなかったことを考えるとき、たとえ実際に行使された政治的権限が著しく限られたものであったにせよ、国王がその権威によって国の舵取りを担ったという功績は称賛されてなお余るものがあるといえるでしょう。

タイと関わりを持った者として、また東アジア政治という、同国と関連の深い領域を学ぶ者として、タイ王室ならびに国民に心から哀悼の意を表するとともに、東南アジアの中央に位置し、今なお内外の諸課題に直面するこの国が、前世代から引き継がれた叡智を駆使し、それらを乗り越えていくことを信じてやみません。
2016.10.14 / Top↑
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本日、慶応義塾大学の三田キャンパスで行われた北東アジア学会という学会の年次大会で研究発表を行ってきました。

発表テーマは「民主化運動の延長としての反自由貿易運動:1980年代韓国におけるウルグアイ・ラウンド農業交渉への反応」というもの。

内容を簡単にまとめると、「日本のJA(農協)がそうであるように、民主主義国では、農民の政治運動は利益追求を目的とするロビー活動の形をとるが、韓国では農民団体が政治活動を、民主化運動と同様の反体制運動の一環として行っている。しかしそれは、農民団体を現実的な打算や政府との妥協から遠ざけ、結果として同国の農業ロビーを弱体化させる一因になっている」というもの。

韓国国会図書館の所蔵資料や、今年5月、および文学フリマ岩手の翌日である同9月にソウルで行った農民団体へのインタビュー調査を踏まえての発表でしたが、フロアーからも質問を頂き、充実した時となりました。

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さて、今回年次大会を開いた北東アジア学会の学術誌『北東アジア地域研究』が、去る9月に刊行されました。

この中に、私が投稿した研究ノート「韓国における親環境農業政策:政府主導型環境農政の課題およびその含意」が掲載されています。

ジャンルとしてはいわゆる政策レビューに属し、「1990年代以降先進国になった韓国は、国際競争下で自国の農業を維持していくため、有機農産物など高付加価値の農産物を生産するよう奨励してきた。しかしその政策は、『有機農業が環境に良い』という規範が先行しがちで、農民へのインセンティブの付与に乏しいため、成功していない」と論じています。

日本でも、官民を問わず、人を動かすのに『規範と規則で人を統制する』ばかりで『利益で人を誘導する』ことをしない、その結果動員が上手く進まない、という場面が多々見られます。今回のノートでは、韓国の環境農政もまた、その陥穽に嵌ってしまっているという分析結果を示しています。

学術誌ゆえ、大学の図書館などでは、閲覧できる場所もあるかと思います。もし本誌をお見かけの際は、お手に取って頂けますと幸いです。

本業の方では、今月14日に神戸で開かれる国際会議Asian Conference of Politics, Economics, and Law 2016でポスター発表を行い、来年2月にメリーランド州ボルティモアで開かれる国際会議International Studies Association 57th Annual Congressで口頭発表を行う予定であり、かつその間にジャーナルへの投稿締め切りがあるなど、向こうしばらく、予定が立て込んでいます。

その影響で文学フリマ京都には行けないなど、同人活動にも一定の影響が出ていますが、フランスを舞台とした新作は、現在11万字程と、来年初夏を完成目標としてゆっくりながらも描き進めております。こちらについても、御記憶頂けますと幸いです。
2016.10.09 / Top↑