来たる7月23日、札幌テレビ塔2階で即売会・第一回文学フリマ札幌が開催されます。

このところ、北海道へは年1度ほどのペースで足を運んでおり、既に旅行回数も10回を超えていますが、7月下旬という真夏の時期に札幌入りするのは、中学1年の夏休みに今はなき寝台特急「北斗星」に乗って以来、20年ぶりです。

…という話を、先日、同年代の友人に食事の席で話したところ、この友人から「そうか、ウチら、20年前の時点ではもう中学生になっていたのか」という反応が返ってきました。

特に私の場合、学術研究という懐妊期間の長い世界に身を置いていることもあり、感覚がマヒしがちになってしまうのですが(ちなみに学界は、政界と同じく「40歳までは若手」とされる業界です)、私も32歳という、結構いい歳した大人だったりします…。

少々話が逸れました。

7月23日の文学フリマ札幌、私・高森のブース番号は「う-07」です。販売作品は、5月の文学フリマ東京、および6月のCOMIC CITY 福岡と同じく以下の3作品となります。


『大陸と海洋の交差路』(2016年作)…頒布価格:500円 (新作)
那覇を訪れた香港の文化人類学者・唐瑞延は、これまで自身の沖縄での研究活動を支えてきてくれた台湾出身の恩人・安麗生の職場を訪ねる。台湾政府の意向を受け、長年台湾と沖縄の交流事業に携わってきた麗生は、定年を迎えたこともあり、所属する政府系機関を退職することになっていた。
長年に渡る学恩に礼を言い、また麗生の日台交流への尽力をねぎらう瑞延。そんな彼に麗生は、「これは回顧録にも書かなかったことなのだけれど…」と、ある秘密を打ち明けた。曰く、台湾人として沖縄との民間交流を深めてきたはずの彼女は、実は沖縄本島で、沖縄県民として生まれたのだという。なぜ、沖縄県民として生まれた人物が、台湾人になったのか。その疑問を抱いた瑞延に、麗生は「台湾疎開のことは、御存知かしら?」と問いかける…。
太平洋戦争末期、1万人を超える沖縄県民が、当時日本領であった台湾へと疎開しました。しかし終戦後、彼らの疎開先は中国国民党の支配下に入り、そして彼らの故郷・沖縄はアメリカ軍の支配下に入ります。疎開先も、そして故郷も「日本」ではなくなった日本人疎開民。やがて彼らは米軍支配下の沖縄へ、すなわち中国からアメリカへ「帰る」ことになります。
戦中から戦後にかけての沖縄を、台湾の視点から描いた作品です。

『賢人支配の砂漠』(2014年作)…頒布価格:300円
東京の大学で教鞭をとっていた在日韓国人三世の経済学者・鄭太植は、『在日』をめぐる左右両翼の論争に嫌気がさす中、中東・ドバイの大学から赴任のオファーを受ける。日本国内に留まることへの疲労感もあってそのオファーに応じた太植だったが、遊牧民の伝統を残すアラビア半島の部族社会は、やがて彼に「支配」をめぐる新たな考えを抱かせるようになる。
昨今の「アラブの春」にもかかわらず、絶対君主制を維持するアラビア半島諸国。その内面に目を向けることで、支配・統治のあり方の多様性を描き出します。

『半島と海峡の狭間で』(2007年作/2014年改訂)…頒布価格:300円
1970年代初頭、韓国大使館員として中華民国・台北に赴任したキム・ギョンナムは、当地で日米両政府が大陸・中華人民共和国に接近し、台湾の国際的孤立が高まるという緊迫した状況に直面する。国民党一党独裁下の台湾と、軍事政権下の韓国。反共を国是とする両体制を行き来する彼は、しかし同じ資本主義陣営に属するはずの日米が大陸の共産党政権へと接近していく中、自国の、そして赴任先の政治体制に少なからぬ疑問を抱く。やがてその疑問は、彼の外交官としての立場を危ういものにしていき…。
冷戦体制下の1970年代、日米両国と同じ西側陣営に所属していながら、大陸中国との修交という選択肢をとることのできなかった反共分断国家・韓国の視点を通じ、東西両陣営の対立がアジアに残した痕跡を描写した作品です。


なお、少々先の話になりますが、9月4日の文学フリマ岩手についても、販売作品は上の3本となる予定です。来週の文学フリマ札幌と並び、こちらについても御記憶いただけますと幸いです。
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2016.07.14 / Top↑
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