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本日、慶応義塾大学の三田キャンパスで行われた北東アジア学会という学会の年次大会で研究発表を行ってきました。

発表テーマは「民主化運動の延長としての反自由貿易運動:1980年代韓国におけるウルグアイ・ラウンド農業交渉への反応」というもの。

内容を簡単にまとめると、「日本のJA(農協)がそうであるように、民主主義国では、農民の政治運動は利益追求を目的とするロビー活動の形をとるが、韓国では農民団体が政治活動を、民主化運動と同様の反体制運動の一環として行っている。しかしそれは、農民団体を現実的な打算や政府との妥協から遠ざけ、結果として同国の農業ロビーを弱体化させる一因になっている」というもの。

韓国国会図書館の所蔵資料や、今年5月、および文学フリマ岩手の翌日である同9月にソウルで行った農民団体へのインタビュー調査を踏まえての発表でしたが、フロアーからも質問を頂き、充実した時となりました。

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さて、今回年次大会を開いた北東アジア学会の学術誌『北東アジア地域研究』が、去る9月に刊行されました。

この中に、私が投稿した研究ノート「韓国における親環境農業政策:政府主導型環境農政の課題およびその含意」が掲載されています。

ジャンルとしてはいわゆる政策レビューに属し、「1990年代以降先進国になった韓国は、国際競争下で自国の農業を維持していくため、有機農産物など高付加価値の農産物を生産するよう奨励してきた。しかしその政策は、『有機農業が環境に良い』という規範が先行しがちで、農民へのインセンティブの付与に乏しいため、成功していない」と論じています。

日本でも、官民を問わず、人を動かすのに『規範と規則で人を統制する』ばかりで『利益で人を誘導する』ことをしない、その結果動員が上手く進まない、という場面が多々見られます。今回のノートでは、韓国の環境農政もまた、その陥穽に嵌ってしまっているという分析結果を示しています。

学術誌ゆえ、大学の図書館などでは、閲覧できる場所もあるかと思います。もし本誌をお見かけの際は、お手に取って頂けますと幸いです。

本業の方では、今月14日に神戸で開かれる国際会議Asian Conference of Politics, Economics, and Law 2016でポスター発表を行い、来年2月にメリーランド州ボルティモアで開かれる国際会議International Studies Association 57th Annual Congressで口頭発表を行う予定であり、かつその間にジャーナルへの投稿締め切りがあるなど、向こうしばらく、予定が立て込んでいます。

その影響で文学フリマ京都には行けないなど、同人活動にも一定の影響が出ていますが、フランスを舞台とした新作は、現在11万字程と、来年初夏を完成目標としてゆっくりながらも描き進めております。こちらについても、御記憶頂けますと幸いです。
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2016.10.09 / Top↑
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