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昨日、今日の2日間、北海道へ行っておりました。昨年7月の文学フリマ札幌以来、半年ぶりの北海道入りです。

来年度、私は自分の担当授業の中で「アジアにおける文化、エスニシティのマイノリティ」を取り上げる予定なのですが、長らく開発政策や産業政策、貿易政策といった政治経済学の研究を行ってきた私にとって、マイノリティなど社会政策は、実はあまり強くない領域。そういった事情ゆえ、今週の北海道、来週の沖縄と、2週間かけて自国のマイノリティについて、現地で学ぶ時間をとることにしました。

北海道で学ぶ対象は、当然、先住民であるアイヌ。今回はアイヌについて情報蓄積の多い旭川を訪れ、

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旭川市博物館と、

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川村カ子ト•アイヌ記念館へ行ってきました。

一般にアイヌは、農耕文化とされる本州以南に対し、狩猟民族と理解されています。実際、「土地の神様」といった発想は希薄な一方、動物や資産などの物品に神が宿るという意識は強いようで、それは時代が下り、社会秩序が形成されるにつれ、財宝など動産の所有を威信と結びつける(より多くの財物を有する=それだけ多くの神が宿った物に守られる)価値観へと発展していったのだそうです。

社会的マイノリティを論じる際にしばしば用心を要するのが、「マイノリティ=同化の対象」という発想に対抗せんとするあまり、「マイノリティ=正しい存在」という善悪二元論的な思考に陥ってしまうこと。これはエスニシティに限った話ではなく、セクシャリティや障害者についても言えることなのですが、今回訪問した2施設は、14世紀にアイヌが大陸で収奪を行い、元と武力衝突に至った経緯や、アイヌ社会の規範に反した者への社会的制裁といった点についても丁寧な説明をしていました。

残念ながら、私がこれまでに住んだ日本および韓国という2つの国は、国境とエスニシティの分布が一致しないことへの理解が、今なお不十分な状況にあります(ちなみに、韓国にもエスニック・マイノリティとして、約15000人の華人が住んでいます…が、そのことが僅かながらも社会的認知を得るようになったのは、ごく最近の話です)。

無論、私たちの生活は、国民国家と深く結び付いており、かつ国家が提供するサービスや保護に大きく依拠しています。そのため、徒に「国家」を否定することは極めて現実性を欠くのですが、他方、国家という単位を絶対視してしまうことも、現実的とはいえません。この点、来週の沖縄でのフィールドワークも踏まえつつ、分かりやすく講じられるよう準備をしていきたいと思っています。

<おまけ>
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今回、札幌から旭川まで乗った785系、特急「スーパーカムイ」。

1990年に「スーパーホワイトアロー」としてデビューしたこの車両は、以来四半世紀に渡り、北海道電車特急の第二世代として活躍を続けてきましたが、来る3月のダイヤ改正以降、後継車種に座を譲り、退役が始まります。

私にとっては中学生の頃から北海道旅行のたびに親しんできた車両であり、寂しい限りなのですが、他方、この3月のダイヤ改正については個人的に嬉しい話もあります。

このダイヤ改正では、道央特急の運行体系が大幅に改編され、札幌・旭川間の特急列車が「カムイ」「ライラック」の二本立てとなります。このうち「ライラック」は、列車名として10年ぶりの復活。中高生の頃、北海道旅行でこのリラの名を冠する列車に何度も乗った者としては、懐かしさがこみ上げてきます(ちなみに、リラの花言葉は「青春の思い出」です)。依然として厳しい経営状況にあるJR北海道ですが、この新生「ライラック」が道央都市間輸送の担い手として、多くの人々に利用されることを願っています。

次の私の北海道入りは、今のところ7月上旬、文学フリマ札幌に合わせての訪問。その際には、是非とも復活した「ライラック」に乗りたいと思っています。
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2017.01.17 / Top↑
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