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昨日までの3日間、研究資料の収集のために韓国へ行っておりました。

今回の訪韓では、

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これまでに何度も利用しているソウルの国会図書館に加え、

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行政首都•世宗特別自治市にある国立世宗図書館でも文献の閲覧、コピーを行ってきました。

世宗市とは、盧武鉉元大統領の時代に中央省庁の大部分を首都圏以外へ移転させ、ソウルへの一極集中を緩和させるという名目で建設が決定された計画都市。都市名はハングルを作ったことで知られ、10000ウォン札にも描かれている世宗王にちなんでいます。

李明博前大統領下の2012年、ソウルの南方130kmの地点に設置された同市ですが、その設立経緯上、中央省庁以外には「何もない」場所で、私も、今回、政策資料を集めるという目的で初めて訪れました。

ちなみに、計画都市だけにソウル都心からのアクセスは良く、今回私が利用したKTX(上の写真の高速列車)とBRTの乗り継ぎで所要約1時間。高速バスでも2時間あまりだそうです。

で、その世宗市中心部の街並みがこちら↓

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近未来的な外見の、政府官庁の庁舎ばかりが並んでいます。

ここまで計画性が徹底しており、かつ建設から日の浅い都市は世界的にもあまり例がないので、雑然としたソウルとの対比(とはいっても、ソウルも16,7年前とは比較にならないほどきれいな街になりましたが...)という点では、見ていて楽しい街でした。

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歴代大統領に関する文物を展示した「大統領記録館」という施設もありますので、韓国の近現代史に興味のある方は、一度足を運ばれてみるのもいいでしょう。

なお、周知の通り、現在の韓国は、憲法裁判所で弾劾裁判が行われているため、朴槿恵大統領の権限が停止されています。私は13年前に行われた前回の弾劾裁判の際も、釜山外国語大学校と東国大学校のお世話になる形で韓国に滞在していたのですが、当時は盧武鉉の国政復帰を求める声が随所で聞かれたのに対し、今回、世論は朴槿恵を完全に見限り、次の大統領選びに意識を向けています。

無論、政治指導者の必須条件である社交性と学習能力が、朴槿恵に決定的に欠けていたことは否定できません。ただ、この2つのスキルに欠けていた点では、彼女の前任者も、前々任者も、あまり大きくは変わりません。大統領として成長していくという謙虚さに欠いていた点では、李明博も、盧武鉉も似たところがありました。

それは、根本のところでは、単に彼らに政治家としての成長能力・努力が足りなかったというだけではなく、大統領に就任当初から完全無欠なスーパーマンたることを期待するこの国の世論の反映でもあります。

しかし、民主主義国家において行政の指導者とは、有権者から権力を付託される存在。指導者は円滑な法の執行のため、絶えず学習することが要求されますし、他方で有権者は、自分たちの多数代表として選んだ人物を、絶えず育てる責任があります。

President can grow up, even if he or she is a stupid one.(大統領は成長しうる、たとえそれが、愚かな大統領であったとしても)

これは、私が学部3年生の時、英語のディスカッション•スキルを磨く授業で担当教員が私に言った言葉です。時は2004年11月、アメリカ大統領選挙で、W. ブッシュが再選された直後のこと。コロンビア大学出身の生粋のニューヨーカーにして、バリバリの民主党員だった彼に選挙結果の話題を振ったところ、彼はそう答えました。

政治家といえども人間です。完全無欠などということはあり得ません。なればこそ、絶えず成長しようという努力は必須ですし、有権者も権力者を育てようという努力を払わなければならないのです。

次期大統領が誰になるにせよ、政治家を含む有権者の多くがこの点を直視しない限り、韓国政治は将来、再び似たような混乱に陥る。そしてそれは、やもすれば大統領や首相にリーダーではなくボスたることを期待してしまう諸外国の有権者にとっても、決して他人事ではない。...今回の訪韓を終えた後、東京へ戻る機内で私は、そんな思いを抱きました。
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2017.02.04 / Top↑
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