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昨日までの1週間、勤務先が学祭のため休講になるのを利用し、エアアジアでホノルルへ行ってきました。

学部生の頃から旅行や仕事で何度も渡航しているアメリカですが、これまでに私が訪れたのは、ほぼ東海岸のみ。ハワイ訪問は、今回が初めてとなりました。

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ホノルル到着後は、ホテルへ向かうよりも前に、まず真珠湾へ直行。以前より行ってみたいと思っており、今回ホノルル行きのチケットをとったのも、ここへ行きたかったからと言っても過言ではない場所·アリゾナ記念館へ。日本軍による真珠湾攻撃で沈んだ戦艦アリゾナが、1100人余りの乗組員の魂と共に眠る場所です。

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逆光で見えにくいですが、湾内には、アリゾナ記念館に隣接する形で戦艦ミズーリも係留されています。言わずと知れた、1945年8月に日本の降伏文書調印が行われた船です。

政治学を専門とする日本人として、日米開戦を象徴する場所を訪れ、また戦後日本の出発点となった船を見たことは、「感慨深い」という表現では足りない、「感無量」とも形容できる経験となりました。

さて、私の訪問に先立つこと数時間、大変著名なある人物が、このアリゾナ記念館を訪れ、献花をしました。

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トランプ大統領です。

アジア歴訪の途上でハワイに立ち寄った大統領は、献花の後に海軍を視察した訳ですが、その際、ツイッターに'Remember Pearl Harbor.'と呟いたことが、日本の一部メディアではちょっとした話題になったようです。曰く、「訪日直前にこの一言を呟いた真意は何か」と。

しかし、少なくともこの呟きをめぐっては、彼の真意を詮索する必要などないと言えるでしょう。彼はアメリカ人として、アメリカ人に対し、当然のことを呟いてみせただけです。

即ち、アメリカは日本軍による攻撃を受けて立ち上がり、戦い、そして勝利したのです。70年後の今日から見れば、奇襲攻撃という「屈辱」は、その数年後の「偉大なる勝利」と一体不可分的に思い出されるのであり、必然的にそれは、合衆国の国威を発揚するのです。そこに、かつての敵国·現在の同盟国の存在が介入する余地はありません。

平たく言えば、現在の日米同盟がいかに強化され、両国の友好的関係が強調されようとも、その原点に敗戦国·戦勝国という立場の違いがあることは消すことができないのです。

当然と言えば当然の話です。しかし昨今、中国の軍事力強化を懸念し、これに対して日米同盟を強化しようという、いわゆる現実主義的な国際政治観をとる日本人論者の中に、この点を充分認識できていない人が目立つことも事実です。

リアリズムに立脚するのであれば、まさに「勝てば官軍」の発想を日米同盟の原点にも適用し、日本人として、かつての敗北という「不都合な事実」から逃げてはなりません。そして、この歴史上の事実を直視した上で、なお国際社会における日本独自の貢献を考えていかなければならないのです。私自身は、その先にこそ、自分の生まれ育った国が(マッカーサーが降伏文書調印式で述べ、現憲法にも記されているような)「国際社会において名誉ある、尊厳に満ちた地位を獲得、維持する」道があると常々考えています。

「親米保守」を自認する政治学徒として、今回の真珠湾訪問はそうした自分の政治観を再認識し、見つめなおす機会ともなりました。
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2017.11.06 / Top↑
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